会長挨拶
このたび、第34回日本炎症・再生医学会年次集会を、平成25年7月2日(火)と3日(水)の2日間にわたり京都で開催させていただくにあたり、学会長として一言御挨拶させていただきます。伝統ある本学会の学術集会運営をお世話させていただくことを大変光栄に存じます。
さて、会員の皆様も御存じの通り、本学会にも関連する最近の大変うれしいニュースとして、本学会の理事を務めておられる京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授が2012年のノーベル医学生理学賞を受賞されました。先生のiPS細胞樹立のご業績とその臨床応用へのたゆまざるご努力のすばらしさは改めて繰り返すまでもなく、すでに様々な方面からの祝辞が述べられておりますが、ここに改めてお祝い申し上げます。
本学会が担う分野は炎症学と再生医学に関する幅広い様々なトピックスに及んでいます。この領域における研究は、山中先生の業績をはじめ世界をリードするものが多く、基礎的研究にとどまらず臨床へのトランスレーションにもめざましい進展があります。また研究の発展は今や基礎から臨床への一方的な流れではなく、臨床現場の知見が基礎研究分野に大きなインパクトを与えて研究のさらなる進歩を促しています。このため、炎症と再生領域の連携とともに基礎研究と臨床現場の連携も研究の発展には欠かせなくなっています。そこで、今回の学会においては「炎症・再生医学の新展開 ─基礎から臨床へ、臨床から基礎へ─」をメインテーマとしてプログラムを企画いたしました。特別講演にはアポトーシス研究の第一人者である京都大学の長田重一先生と、神経再生研究の第一人者である慶応義塾大学の岡野栄之先生にお願いしております。また、教育講演には炎症と再生医学研究における我国トップレベルの10名の先生方に、モーニング、ランチタイムおよびイブニングセミナーとして講演をお願いしました。さらにメインシンポジウム(英語)が2つ、シンポジウムが8つと盛りだくさんのプログラム構成となっています。もちろん会員からの一般公募演題は学会研究発表の中心であり、ポスター形式で発表していただきますが、一部はシンポジウムの公募演題としての採択を考えており、優秀な演題へのポスター賞も予定しています。
学会会期中には京都らしい趣向での懇親会も企画しております。ぜひとも、多くの会員の皆様方に京都へお集まりいただき、炎症学と再生医学の垣根を越えた活発な発表とディスカッションによって実りの多い学会となりますことを期待しております。教室員一同、会員の皆様とお目にかかれることを楽しみにしております。
第34回日本炎症・再生医学会 会長
京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学 教授
三森 経世